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二人の「勉強会」 その4

「唯、そろそろ・・・」
唯はリトの方へと身体を回転させて仰向けになる。
「でも、結城君の準備は・・・?」
そんなものが必要だなどとどうして思えるのだろう。
自分にどれほどの魅力があるのか唯はまるで理解していないのだ。
そしてリトはそのままでいて欲しいと心から思った。

「してくれるなら大歓迎だけど・・・」
リトのものは既に天に向かってはち切れんばかりにそそり立っていた。
「きゃっ」
唯は思わず悲鳴をあげてしまった。
(あんなおっきいのが、わたしのなかに・・・?)
ついマジマジと見つめてしまっていた。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど・・・」
言われてようやく気がついて唯はパッと視線をそらしてそこで気づく。
「結城君だって、わたしのいっぱい見たくせに・・・」
いたずらをとがめられた少女のような表情だった。
(下のほうは見てないけどな)
そう思ったが、リトの本能が口を噤ませた。
一秒でも早く唯とつながりたいから―――

リトは本能に支配され始めていた。
しかしリトが次に取った行動は、乱暴に唯の脚を押し広げることではなかった。
お互い初めてだから失敗したらどうしようとか、後ろ向きな気持ちを感じることもなかった。
まあ、失敗したら唯が全く必要のない責任を感じてしまいそうなので、うまくいくに越したことはないのだけれど。

リトがどんな唯も受け入れられると確信しているように、唯もきっと、どんな自分も受け止めてくれると信じている。
それがリトに僅かながらの冷静さを与えてくれていた。

リトが求めるのは、唯が怖い思いをしないこと。
そして溢れそうな自分の気持ちを、彼女の心に深く深く刻み付けること。
それが彼女の望みであり、そして自分の幸せだから。
肉体的な快感など二の次だった。
「キス、しよう?」
リトは唯に覆いかぶさると、うっすらと微笑んでそう言った。
その行為はついさっきまで特別なことだったのに、
リトがあまりにも自然にそう言うから唯は思わず笑ってしまった。
「おかしい?」
「うん、おかしいわよ」
唯はくすくす笑っている。
(さっきは似たような状況で”軽い”って怒ったのに・・・不思議なやつだなぁ)
リトも思わず笑顔になる。
唯は”二人がキスすること”が自然なことになっていくことが嬉しかった。

微笑みあいながら口付けを交わす。
リトはおっぱいにしてみたように、唯の唇を吸ってみたり自分の唇で挟むようにしたりしてみる。
ただし、あくまでもソフトにだ。
「んむ・・・ん」
「・・・ふむぅ、んちゅ・・・」
リトはその感触をじっくりと堪能して満足げにほんの少し距離をとる。
と、次の瞬間唯の顔がアップからどアップになったと思ったら唇を押し付けられた。
「ぅ!?・・・ん」
唯の方からしてきてくれるとは思っていなかったので、完全に不意をつかれた。
少し驚いたが、すぐにリトもキスに集中する。
「・・・ん、ちゅ・・・」
しかし唯のサプライズは二段構えだった。
唇の上下に僅かに開いた隙間に、ヌルッとした物が触れた。
唯の舌だ。
そう理解するまでに数瞬を要した。
口を開けて招き入れると、それを自分の舌で絡め取る。
あまりにも甘美な感触と熱さ。
「んぁっ・・・あむぅ・・・ん・・・ちゅ・・・んっ」
「・・・んむ、じゅる・・・」
激しく舌を絡ませ、唾液も交換してからようやく結合が解ける。

(なんか凄かった・・・)
細かな思考能力など完全に無くなってしまった。
唯の舌はその唇や肌と同じように柔らかかったがヌメヌメしていて、多少のザラザラ感も心地よかった。
ほんの少しのレモンの香りと甘酸っぱさに、脳髄が痺れていくようだった。

「結城くん・・・来て・・・」
いつの間にか唯が膝を立て、少しだが脚を広げスペースを作ってくれていた。
その表情からはもはや恐れも恥じらいも感じられなかった。
始めから唯はリトを待っていた。求めていたのだ。
それを抑え込んでいた羞恥心や恐れが、リトと触れ合っているうちに少しずつ取り払われ、
唯から求めた覚悟を決めるかのようなディープキスで完全に消滅した。

“裸”になった唯は、狂おしいほどに美しくて愛おしかった。

リトは唯の空けてくれた場所に身体を入れると、自身を膣口にあてがって照準を合わせた。
一つになるのに、これ以上のタイミングはもう二度と訪れないだろう。
「行くよ・・・」
ゆっくり、ゆっくりと唯の中へと潜っていく。
そこは先程までよりも更に蜜が溢れ出し熱さも増していたが、それでもキツさは半端ではなかった。
「んっ!!・・・くぅぅ」
そのキツさと唯の痛みはきっと比例しているのだろう。
目を閉じて唇をキュッと噛み締め、その両手は枕を握り締めていた。
(痛いよな・・・。ごめんな)
声に出すと強がるだろうから心の中で謝罪する。
ようやく半分まで入った。
「唯、平気か・・・?」
平気なわけなどないけれど、声を掛けずにはいられなかった。
「結城くんっ・・・」
目を閉じたままの唯の両手がリトを求めて宙を彷徨う。
本人は高く上げているつもりなのかもしれないが、それはリトの腰の辺りまでしか上がってこなかった。

「唯、好きだ」
その言葉は手を握り締めるまでの僅かな時間の唯の支えとなった。
リトは唯に負担をかけないようにそっと下半身でバランスを取ると、少し状態を傾けて両手を絡めてやる。
膣内は業火の責め苦にあっているだろうに唯は満足そうに微笑んでくれた。
暫くの間ゆっくりと深呼吸して。繋いだ左手を軽く振る。
「一気に来て・・・?」
唯の括約筋の力が緩んだのが分かった。
リトはその言葉通り、一気に最奥まで突き進んだ。
薄膜を無理矢理突き破る感触が、確かにあった。
「んっあ――ああああぅ!」
唯の口から今まで聞いたこともないほどの甲高い声が上がった。
「はあぁ・・・はあ・・・」
互いに何も考えられず、荒い息を繰り返す。

(全部、入った)
唯の中、深くまで埋まった自分を感じていた。
まだ動いてもいないのに背中から射精感が駆け上がってくるのを必死に抑える。
唯の中は信じられないほど熱くて、リトを絶対に離すまいと根本から亀頭までを断続的に刺激してきた。
「唯・・・俺たち、繋がれたよ・・・」
汗で額に張り付いてしまった唯の前髪をそっと撫でてやる。
「うんっ、・・・うん」
唯は痛みのためか嬉しさのためか、恐らく両方だろうが涙を大きな瞳いっぱいにためながらも健気にも微笑んでくれる。
リトはたまらなくなって目を閉じるとゆっくりと上体を倒して、そのままピッタリと抱きしめる。
今自分がどれほど感動していてどんなに幸せか、唯に伝わってくれるように願いながら。
「結城くん・・・」
「・・・ん?」
リトは体勢を変えずに聞き返す。
今唯の幸せそうな顔なんか見たら、自分も泣いてしまいそうだった。
「全然、足りないわ・・・」
「えっ!?」
耳元で聞こえた思いがけない言葉にリトは慌てて体を起こして唯の顔を覗き込む。
不満げな言葉や口調とは裏腹に、その表情は天使のように穏やかだった。
「わたし、まだ刻み付けてもらってないよ・・・?」

唯は最後までしっかりすることを求めてくれた。
涙を堪えることに集中しているうちに、射精感も何とか治まってきた。
今なら動けそうだ。
しかしそこでリトはようやく気づいた。
(また唯に導いてもらってるや・・・)
思い返せばさっきからずっとそうだった。
リトが呆けてしまったりどうしていいかわからなくなる度に、
エッチについてリトよりもずっと知識がない唯が導いてくれた。
(俺が唯のわがままをきいてるつもりだったのに・・・)
本当に主導権を握っていたのは、唯の方だった。
それなのに常にリトの心情を一番に考えて、恥ずかしいことも未知で怖いことも全て受け入れ続けてくれていたのだった。
そして今だって・・・。まだ痛みが残っているだろうに。

「あ、ありがとな・・・唯・・・」
「ゆ、結城くん?」
リトは感極まって泣いてしまった。
かっこ悪いけれど、もうどうしようもなかった。
「どうしたの?結城君」
「なんでもないから・・・」
そういって涙を拭いながらだけれどニカッと笑った。
唯の大好きな、リトの満面の笑顔・泣き笑いver.
(結城君、可愛い!!)
キューッと胸が締め付けられリトに対する想いが胸の中で一層激しく踊る。
そうしているうちにリトは涙を拭うと言った。

「じゃあ、等価交換な」
「?」
急に何を言い出すのだろう。
「俺は、今から唯に俺の全てを刻み付ける。これはもう、決まってること」
「え、ええ・・・」
改めて宣言されるとうれしいような恥ずかしいような気持ちになる。
「泣いて暴れようと、絶対に止まらない。唯優先主義はもうおしまい」
「唯優先主義・・・?」
「あーー、こっちの話・・・」
リトはポリポリと頬をかく。照れたときの癖らしい。
「とにかく、俺が今からするのはものすごく大きな事。だから、それに見合う要求を唯にもさせてあげる」
リトは要求される側なのに、ものすごく大きな期待を込めた目で見つめてくる。
「結城くんに刻みつけてほしいっていうのはわたしの要求なんだから、それで等価交換じゃないの?」
ごもっともな意見だが、それじゃあリトにとって意味がない。

なんだかんだ言ってはいるが、つまりはリトは唯に甘えて欲しいのだ。

(さっきまでいっぱいわがまま言ったのに。そんなやさしくされても困っちゃうな、・・・嬉しいケド)
導いてきたなどというという自覚が唯にはない。
リトが望んでくれることを無意識のうちに理解し、実行までしてしまうのは勉強会でも証明済みだ。
唯があまり棘のない目で睨んでくる。
しかしリトとしてはここは譲れない。絶対に唯に甘えてもらうんだ!
頑として譲る気配を見せない。
ララや唯に出会うまでは、リトだって結構頑固な性格だった、はず。

「じゃあ・・・」
唯がようやく要求してくれる気になったらしい。
「キス、して?」
この状況なら、当然ながらその要求は甘いものとなる。
リトにとってはまさに一石二鳥だ。
すぐに艶やかな唇にキスを落とし、5秒ほど触れてすぐに離れる。
「あっ・・・」
名残惜しそうでもあり不満そうでもある唯の反応もあえて気づかないフリをする。
そして、次の要求を待つ体勢に戻る。ちょっとしたイジワル。

「・・・もっと、深いのがいい」
リトが笑みを深める。
「さっきの気持ちよかったんだ」
「そ、そんなことっ・・・」
「あの後唯のアソコ、いっぱい潤ってたよ?」
カァッとハロゲンヒーターのように唯の顔が真っ赤になりそっぽを向こうとするが、すぐ近くにいるので顔を抑えられてしまう。
「んむっ、あっ・・・んくっ」
ちょっとだけ強引に、唯の唇を割って入る。
淫靡な水音が静かに響く。
「んむっ、ちゅっ・・・ちゅ・・・ゅい・・・ぷはっ」
「ちゅ・・・ちゅるっ、ゆーひふ・・・んんっ」
互いに息も絶え絶えになってようやく離れる。
二人の間にできた白銀の橋が切れ掛かったのでリトは慌ててそれを吸い込んだが、一部が唯の首元に落ちた。
唯はそれを咎めたりはしなかった。もう瞳がとろんとしている。
熱い唯の唾液を飲みこんで、リトも頭の中に白いもやがかかってしまった。
もう悠長にお願いを聞ける状態ではない。

挿入して大分時間が経ったことと、今のキスで潤滑油が増してくれたことでもう動いても大丈夫そうだった。
もう一度両手を重ねて。
「唯、動くよ」
そう告げると、リトは腰をスライドさせる。
腰を引くたびに唯の中はキュッと締め付けて絡み付いてくる。
「あんっ、結城くん・・・ぁは」
リトは目を閉じて、唯を見ないようにしていた。
唯のそんなハレンチな顔を見たら、規則正しく揺れるおっぱいを見てしまったら、
それだけであっという間に達するのが目に見えているから。
ゆっくり、ゆっくりと打ち付ける。
唯をいたわりたい気持ちももちろんだが、気持ちよすぎて激しくしたらすぐにでもイってしまいそうだった。
「・・・はぅ・・・んあっ」
(やっぱり、まだ痛い・・・)
リトが動くたびに焼かれるような痛みが唯を襲う。
でも、快感の予兆は確かにある。
頭の中に真っ白な小さな点があるような感覚。

リトは今度は少し円を描くように打ち付けてみる。
「くっ・・・うあ・・・唯っ」

あまりの快感に、普段なら出ないような声が出てしまうのは男だって同じ。

(結城君、気持ちいいんだ・・・)
唯の喘ぎがリトを高ぶらせるように、リトの快感は唯を高ぶらせる。
膣が痺れてきて、頭の中の白い点が拡大していく。

「抱いて、結城くんっ」
リトはすぐに望みどおりにしてやる。
「・・・あっ、結城くん、それ・・・ダメェ」
ダメといわれてもリトは言われたとおりに抱きしめただけで特にイジワルをしたわけではない。
二人の身体がピッタリと密着したので、リトの下腹部で唯のクリトリスが刺激されたのだ。
(なんなの、コレ・・・?カラダがピクピクって・・・)
痛みと、痺れと、快感が同時に打ち寄せる感覚に唯は戸惑った。
リトの背中を抱きしめる腕に力が篭る。

「んっ・・・あ、ダメェ・・・ああん」
優しくしたいのに、唯の滑らかな肌に指を埋めるたびに、ますます艶やかになっていく声を耳元で聞くたびに、
理性は抗うことの出来ない波に押し流されていった。
リトの腰を打ち付けるスピードが速くなっていく。もうそんなに保てそうにない。
「唯、唯・・・」
唯は声を挙げるのが恥ずかしいのか自身の指で唇を塞いでしまう。
「・・・んぅ、・・・ちゅ、ちゅ・・・ふぅん・・・ちゅる・・・」
キスをするときのような可愛らしい音に、リトは意図的に見ないようにしていた唯の顔を見下ろしてしまった。
その扇情的な表情と、まるで自分が指フェラをさせているような錯覚に痺れが走る。
身体の下では唯のおっぱいが擦れて何ともいえない感触を提供していた。
そんな状況で、初めてのリトが耐えられるわけがなかった。

「・・・唯、俺・・・もう」
限界が近づき、リトは唯の中から自身を引き抜こうとする。
「あっ、ダメ!」
唯は両脚をリトの腰に絡めて出られなくしてしまった。
「ちょ、ちょっと唯!?」
「・・・やくそく。ちゃんと・・・あうっ」
(いや、刻みつけるったってこれはさすがに・・・)
まずい、そう思ったが腰の動きはちっともとめられなかった。
「あっあん・・・お、ねがい・・・ああっ!」
唯が潤んだ瞳でリトを見つめていた。
抽送する毎に、唯に絞り上げられていく。
(もうダメだ・・・)
愛情と欲望が同時にリミッターを振り切った。
そして唯の最奥に突き刺した瞬間―――

「あ・・・やああん!ふぁあっ!」
ドクッドクッドクッ
一度二度三度。
留まることのない欲望を唯の中へと吐き出す。
こんなの知らない。
今まで味わったことがない、意識が飛んでしまうほどの気持ちよさ。
ようやく飛び出すことを許された分身たちが、唯の膣内を駆け上がっていった。
ちゅるんっという音とともに、一物を引き抜く。

「あふっ・・・はあぁ・・・結城くん・・・」
唯が心から満たされた表情で名を呼び、口付けを求めてくれる。
くどいようだが本当に可愛すぎる。
すぐにでも応じたかったが、男としてはどうしても確認したいことが・・・
「その・・・唯、大丈夫か?」
「うん・・・平気。・・・痛かったけど、結城君がギュッてしてくれて・・・
愛されてる感じがして、すごく嬉しかったわ・・・」
それは良かった。
ちなみにリトはよつんばいのような状態で、唯は身体を寝かせたままだ。
「・・・それに、最後のほうは・・・少し気持ちよかった・・・」
顔を真っ赤にして、モジモジしながら打ち明けてくれる。

ちくしょう、なんて可愛いんだ。
それに気持ちよかったのなら本当に良かった。男としては何より嬉しい言葉だ。
なんだけど・・・。
「あの・・・それは俺としても嬉しいんだけど、その、膣内に出しちゃって・・・」
目の前にある愛しい人の顔が、すぐにムッとした表情になる。
こんなに喜怒哀楽を見せてくれるのも、リトに対してだけ。

「結城君ってホントにデリカシーがないのね!教育的指導が必要だわ!」
それはそうなのだが、そこは男としてはどうしても気になるわけで。
唯との子供ならもちろん欲しいし、もしそうなれば覚悟を決めるけれど、
高校生でパパになるのはちょっと、いや、ものすごく大変なことだ。
「唯・・・その、ごめん・・・。どっちにしろ準備してなかった俺が悪いんだし、もし何かあっても、唯となら・・・」
最初はアタフタとしていたが、後半部分ははっきりとした口調でそう言う。

「・・・ふふっ。大丈夫よ。今日は安全な日なの」
「ホ、ホントか!?」
つい声が弾んでしまった。
「むー。今唯とならって言ったくせに・・・」
「いや、その・・・それはそうなんだけど・・・」

ぷいっとそっぽを向かれてしまう。
これで今日何度目だろう。
「唯・・・機嫌直してくれよ」
「・・・」
怒っている理由が理由だから、今回ばかりはリトも参った。
そこで怒ってくれること自体は、リトとしても凄く嬉しいのだが。
「等価交換・・・」
「はい?」
「さっきの二つのお願いは帳消し!さらに結城君の借りは増えたんだからね!」
唯なりの仲直りの申し出。
こんなに幸せな借りなら、いくら増えたって構わない。
「ん、わかった」
リトは身体を起こすと、唯の身体が冷えてしまわないようにとタオルケットをとるために後ろを向く。
「キャッ!?」
唯が突然悲鳴をあげた。
「へっ?」
「・・・人が真剣に話をしてるのに、ハレンチすぎるわ!!」
唯は両手で両目を塞いでしまっている。
一体なんだろう。
確かに余韻を愉しむこともせずにあんなことを聞いたのは怒られて当然だが、その後についてはできるだけ誠実に対応したつもりである。
指の隙間からチラリとそこに視線を向けられ、リトはようやく気づいたのだった。

(全っ然萎えてねぇ!?)
リトのそれは熱を保ったままで、血管も浮き出ていた。

確かにリトはヤリたい盛りの高校生で、大好きな女の子と一悶着どころか何悶着も経た末にようやく通じ合えたのだ。
さらに、唯のカラダは最高にリト好みである。
その可愛らしいしぐさは、琴線に触れるどころかジャンジャン掻き鳴らしている。
人生でダントツ一位の射精を経験したといっても一度くらいで萎えないのは当然といえる。
しかし、あの話―――つまり子供ができるのではないかという問題は、男にとって冷や汗どころの騒ぎではない。
いくら相手を愛していようと、どうしてもそれとこれとは別問題なのである。
肝をとことんまで冷やし、デリカシーがないと怒られて、それでも萎えないとはどういうことか。
カラダも心も、全てが唯を求めているとしか言いようがなかった。

今までの経験から、ここで謝るのは得策ではないとリトは判断した。
思い上がりかもしれないが、唯だってしたいはず・・・そんな気がしていた。
素直に自分の思っていることを伝えよう。
もう、完全なる敗北を認めてしまおう。
とことんまで唯に甘えて、溺れてしまえばいい。

「唯」「結城くん」
二人の声がものの見事に重なった。
譲り合ったりしなくてもお互いの思いは一緒だと、もう確信していた。
膝立ちの体勢のリトに唯の身体がに引き寄せられていき、両者の額がぶつかる。
「「もう一度」唯が欲し」
”い”までは、言わせて貰えなかった。

強く押し付けられてくる唯の唇。
それを受け止めると、今度はすぐにリトのほうから舌を伸ばしていく。
「んっ、あ・・・ちゅるっ・・・んんぅ!」
いきなりの深いキス。
もうレモンの香りはしない。
だからこそ、蕩けるような唯の甘さのみを味わえる。
「・・・ちゅぷ・・・んぁ、結城くん・・・」
すっかり紅潮した顔で唯が見つめてくる。
その懇願の色が宿った表情は、どんな手を使ってでもまた見たいと思わせるのに十分なものだ。
「今度は・・・最初からギュッてして欲しい・・・」
もう可愛すぎてニヤけることすら出来ない。
両手を後ろにつき、ベッドの上に胡坐をかく体勢に移る。
「おいで・・・」
余裕のあるような台詞だが、実際にはそんなものはない。
とにかく必死に意識してそういう態度を取っていないと、我を忘れて彼女を壊してしまいそうだった。

唯はリトを跨ぐかたちになり、両手を肩に乗せてきた。
「ゆっくりでいいから、そのまま腰落とせる・・・?」
恥ずかしそうだが拒んだりはしない。
男根を持ったリトの右手に自分の左手を重ねて、そっと秘裂にあてがう。
「あっ・・・」
先端が熱く濡れた膣に触れた瞬間、唯が悦びに打ち震えるかのような切ない声を挙げてくれる。
(唯が導いてくれてる・・・)
そのことがリトの熱を昂ぶらせてゆく。
自分が導いてあげたい、甘えて欲しいと思うのに、唯の潜在意識的なリードを感じるたびに惹きつけられて行く。
そのいじらしさに、リトの心は完全に支配されていた。
本当にままならない。

「ん、くふぅ・・・ああっ!」
膜を破ってから一時間と経っていないのに、さほど抵抗なく唯の中へと入っていった。
「・・・ハァ・・・はいった、結城君が・・・来てくれたよぉ・・・」
「・・・ああ、唯の中信じられないくらい気持ちいいよ・・・」
本当に気持ちよすぎる。
膣内は唯の吐息にあわせてギュゥっと絡み付いてきて、侵入時の抵抗の少なさが嘘のようだ。
まさに手厚い歓迎である。
身体をやや倒しているリトを求めて、唯がのしかかってくる。
「ああっ!!」
唯が嬌声を上げた。

「痛いのか!?頼むから無理だけはしないでくれな・・・」
いくら二人の相性が良くてもまだ二回目だ。
一度じゃ膜が破れない女性もいるらしいし、痛みが完全になくなるまでにはしばらくかかるはずだ。
身体を預けてきた唯を受け止めて、様子を窺う。
唯は荒い呼吸とともにピクピク小刻みに震えていた。
「平気・・・だけど、しばらくこうさせて・・・?」
リトはすぐに背中に腕を回して抱きしめてやる。
「あっ・・・くすぐったいけど、気持ちいい・・・」
唯が落ち着くまで、大好きな長く美しい黒髪に口付けを繰り返す。
息が少し苦しくなったので、ゆっくりと鼻から空気を吸い込んでみる。
「やだっ・・・匂いなんかかがないでよ」
花のような髪の匂いとさわやかな甘さの唯自身の香り。
サラリとした汗の匂いも、清涼感すら覚えるほどだ。
唯には男を昂ぶらせる要素と同じ分だけ、癒しの成分が含まれているようだ。
アロマテラピーなんてメじゃない。
「・・・汗かいてるのに・・・」
そうは言いながらも、リトから離れようとはしない。
「すごくいい匂いがする」
「結城くんのヘンタイ・・・」
小声でゴニョゴニョと言うのがまた可愛らしい。

「もう痛くない?」
リトが額をあわせながら聞いてくる。
「最初から痛くなんてないわよ・・・」
「へッ!?」
だってさっきあんな苦しそうな声・・・
「・・・その、この格好だと凄く深くて・・・奥が擦れて・・・」
リトの物は唯の中で反り返らんばかりに存在を主張している。
それが唯のスポットを刺激したらしい。
恥ずかしそうに下を向きながら、弱点を晒してしまう唯。
「俺、唯のそういうとこ好きだな・・・」
恋人同士のコトの最中なのに、少年のような声で話し出すリト。
「なによ・・・そういうとこって」
「恥ずかしがるくせに、そうやって墓穴掘るとこ」
「っ!!」
唯はハッとした表情で息を呑むと、両手で顔を覆ってしまう。
他人のことは良い点も悪い点もすぐに気づけるが、自分のことはなかなか分からないもの。
微かに自覚していた自らの欠点(リトからしたらそこは美点なのだが)を指摘され、
ただでさえ真っ赤だった顔がりんご飴のようになってしまう。

「結城くんのイジワル・・・」

その半泣きの声だけで、天にも昇る気持ちになる。
リトは決してSではないが、これにときめかない人間はいない。
「ごめん」
謝罪を口にして、頬に口付ける。
「また、借り増やしちゃったかな?」
その言葉に唯が反応してくれた。
「・・・今のはものすごく大きいからね!・・・一生かけて償ってもらうんだから・・・」
「・・・そんなに?」
オドけた調子で聞き返すが、もういいかげんヤバい。

「唯・・・何でもいいから言ってくれ。そろそろ限界・・・」
崩壊しそうだ。
「結城くんの、好きなようにして・・・?」
「っ!」

この期に及んでも唯のお願いはやっぱりリトを導くものだった。
「ギュってしてくれれば、何したっていいよ・・・。
キスだって・・・おっぱいだって・・・好きなだけしていいよ・・・?」
「唯・・・」
唯はいつの間にか健康的な美しさを取り戻していた。
もともと美しかった黒髪は、光を吸収したかのようにきらきらと輝いて見えた。
こけていた頬は絶妙なぷにぷに感を取り戻し、柔らかな肌は熱いのに瑞々しかった。
まるでリトから養分を吸収したかのようだ。

「結城くんなら・・・どこ触られても気持ちいいの・・・。
結城くんだから・・・乱暴にされたって構わないの・・・。
ごめんね。・・・わたしハレンチだね・・・」
唯の表情は柔らかな笑顔。
それは自嘲の表情ではなく、そんな自分を受け入れたものだった。
「そんなこと言うと俺、溺れちゃうよ・・・?」
「・・・いいよ。だって、それが望みなんだもの・・・」
「唯っ!!」
リトだけの天使を前に、愛しさのダムはついに崩壊した。

本能のまま、乱暴に唯を打ち付ける。
「きゃうっ!・・・やんっ、結城くん・・・いきなり・・・」
長い黒髪を振り乱して、唯の身体がリトの上で弾む。
結合部からははやくもグチュグチュと音が響いていた。
「深いよおっ!・・・奥・・・奥が、あん!!」
唯の爪がリトの背中にガリッと傷を作る。
奥は唯の弱点とはいえ、激しく突かれたことなどない。
痛みを伴って当然だ。
リトは唯の胸を激しくこねるように揉みしだく。
親指と人差し指で先端を何度も挟みあげる。
膣の痛みを和らげるためなんて考えちゃいない。本能の赴くままに。

(あの優しい結城君が・・・私を求めて、こんなに乱暴に・・・)
そう思うだけで、唯もどんどん開放されていく。
リトに触れられたところからどんどん身体は熱くなっていく。
「あっ・・・おっぱい気持ちぃ・・・もっとっ」
ぐちゅっ、ずちゅっ
二人の結合の淫らさを示す卑猥な音が響いていた。
さっきまでの初々しさなど消えうせてしまった、激しいセックス。
リトも唯も快感を貪欲にむさぼっている。
「・・・ジュル・・・ちゅっぷ、レロ」
激しく息を吹きかけ、吸い上げ、舌先を尖らせて乳首を舐めまわす。
その豊満な胸を支えるのにはかなりの負担がかかるのではないかと思ってしまうほど
細く括れた腰を強く掴んで、上へ上へと突き上げる。
「くぅぅ!・・・あっあっあっ!」
今度は乳首を甘噛みしてやる。
「やぅ・・・か、かんじゃ・・・らめっ」
唯の振動の幅が、だんだん大きくなってきていた。

「あ、あ・・・あっ!やあん。声出ちゃうの恥ずかしい・・・結城くんっ塞いでぇ」
唯が発する声の意味をリトが理解しているかは怪しい。
しかしそろそろ唯の唇が、舌が恋しくなってきていたのだろう。
すぐに唯の望みは満たされた。
結合部はこの間も激しく犯されているのに、リトの舌はどこかやさしい。
上から下へと歯列を確認するように舐め、奥にそっと侵入して唯の舌を絡め取る。
「んちゅ・・・ちゅる、あっ・・・あむっ、あはぁっ・・・結城くん・・・好きぃ」

ようやく聞けた―――唯からのその言葉。
それは獣と化したリトの脳の最深部にまでしっかりと届いた。

「唯・・・俺も好き・・・。ずっと好きだ・・・」
太陽のように眩しくて、温かくて、優しい微笑み。
唯を惹きつけてやまない、リトという名の恒星。
「結城くん・・・嬉しい」
満面の笑顔をリトに返す。
こんな表情を自然に見せられるようになったのも、リトのお陰。
唯はリトへと吸い寄せられる。

(ああ、いいな・・・この感じ)
獣のようなリトも悪くなかったが、優しいリトが唯にとってはやはり一番だった。
リトだけがくれる安心感、満足感、そして責任感とでも言おうか、頑張らなきゃという気持ち。
リトは唯の額に、頬に、瞼に、鼻頭に、そして唇にとびっきりの愛情を込めてキスを落としてくれた。
想いで、身体で、やさしく貫かれて、全力で愛してくれるリトを全身で感じる。
痺れてくる・・・。心も、カラダも。

「んぁ・・・くふぅ・・・あっあん」
(何・・・?何かが来るよぉっ・・・結城くん、助けてっ)
「ん!ちゅ・・・ちゅ・・・あっ結城、くぅん・・・わた、し・・・あふ!」
もうキスをしていても溢れてくる声を止めることなど出来ない。
唯の唇の端に美しい黒髪の毛先がかかり、なんともエロティックな表情だった。
リトはたまらなくなって身体を45度に倒し、尻に力を入れ深く深く突き上げる。
「んんっ!・・・唯、唯!」
白き命たちが尿道を駆け上がってくる。
唯の膣内でリトが膨張したのが分かる。
「来てっ!結城くん!・・・わたしがおかしくなっちゃう前に!」
(唯もイキそうなんだ・・・)
何とかイカせてあげたい。
その想いだけで、歯を食いしばって一秒でも長く射精を食い止める。
でももう限界だ。あと数度唯を突いたら出してしまう。
「・・・おかしくなってよ。おかしくなったって好きだよ・・・」
「あっ・・・ダメェ!!そんな風に言っちゃダメェ!!」
蜜穴がリトをキュキュッと締め上げてくる。
「唯・・・俺だけの唯!俺を全部受け止めてほしい!」
「結城くんっ!ふぁああっ!!ああああん!!」

二人はキツく抱きしめあい、同時に絶頂を迎えた。
ハアッ!ハアッ!
二回目だというのに一回目をはるかに凌ぐ量の白濁液が唯の中を駆け上がっていった。
頭の中は濁りのない真っ白で、何も考えられない。
そしてそれは初めて絶頂を迎えた唯も同じだった。
まだ膣内はリトを搾り取ろうと脈動を繰り返していて、唯自身の痙攣もなかなか治まらないようだった。
リトは唯の両頬を優しく包むと、息苦しさにも構わず深く深く口付けた。
「んんっ・・・はあっ・・・凄かった・・・」
まだ夢の中にいるかのような唯の声が、やけに遠くから聞こえたように感じた。
「結城くんにたくさん愛されて・・・いっぱい刻み付けられて。わたし、全部結城くんのものになっちゃった・・・」
「うん・・・。でも、俺だって全部唯のものだよ」
そう返すと、唯は満開の花のような笑顔を見せてくれた。
「・・・等価交換?」
「・・・いや、違うな」
「?」
唯がどういうことかと覗き込んでくる。
「俺の方が、だいぶ軽い。唯に支えられてばっかりでさ・・・」
そこでリトは真剣な表情になる。
「俺、いつか唯にふさわしい男になるから。唯がもっと頼れる、自慢できる、強い男になって見せるから」
決意に満ちた声でそう宣言する。
ところが唯はきょとんとした表情のまま、ボーッとリトを見ている。
「・・・唯?」
「ふふっ・・・くすくす。結城君ってカワイイわね!」
「なっ!?」
人が男らしく宣言をしたというのにカワイイッって、なんじゃそりゃ。
「おい、どういうことだよ?」
「知らない」
「知らないって、そんなわけねーだろ!教えろよ」
「おやすみっ結城君」
タオルケットで身を包むと、枕にポフっと顔を埋めてさっさと横になってしまう。

(ちくしょう、そっちがその気なら・・・こっちは帰ったフリ作戦だ)
無言のままベッドを降り、廊下に出る。
もちろん本気で帰る気などないけれど、意地っ張りな唯もこうすれば放っておけないはず。
(俺が思うに、唯には甘えん坊の資質がある!
今のうちからこうしてそれを引き出してやれば、いずれ頼れる男になったときには可愛い表情見放題だぜ!)

今か今かと唯が呼びに来るのを待つ。
3分経過。
(遅い・・・)
5分経過。
(おいおい、まさかもう寝ちゃったんじゃ・・・)
ドアを少しだけ開けてみる。
「結城君」
(あ、起きてた)
「廊下、寒いでしょ?身体冷えちゃうからこっちに来なさい」
(・・・服着てなかった。アホか俺は)

ベッドに戻ると、唯は巻きつけていたタオルケットをリトの側だけ解いてくれる。
一緒に入れ、ということらしい。
少しためらいがちにタオルケットを持ち上げ、中に滑り込む。
月明かりに一瞬だけ照らされた、真っ白な背中にまたどきりとする。
唯はリトに背を向けて横になっている。

もちろん唯はリトを拒んでいるわけではないが、胸に顔をうずめて甘えるのも恥ずかしい。
一方リトは、こんなときにどうすればいいかなど全く分からないので、仰向けのまま気をつけ状態で固まってしまう。
(もう、なんでもっと近くに来てくれないのよ・・・結城君のバカッ!)
微妙な距離感。
想いはもう重なり合ったのに、不器用が故になんともぎこちない両者。

「ん”んっ!」
唯がワザとらしく咳払いをする。
リトはようやくすべきことに気づいて近くによると、肘枕をして唯に寄り添う。
一日ももう終わろうとしているのにまったく艶が衰えないその黒髪を梳いたり、毛先を指先でつまんで弾いてみる。
それだけリトの目は満足感で細められ、唯は幸福に満ちた吐息を漏らす。
重なり合った余韻を、ようやく愉しむ二人。
「結城君って髪の毛触るの好きなの?」
リトがいつまでも飽きずに触れてくるので疑問に思ったのだろう。
「んー、わかんない。でも唯の髪はすげえ好き。触れてるだけで気持ちいいから」
「わたしも、結城君に触られるのす・・・きらいじゃないわ・・・」
「・・・ははっ」
変なところで意地っ張りな唯に思わず笑みが漏れる。
唯の静かな吐息を心地よく感じながら、リトは優しく髪を撫で続けた。

「なあ・・・唯・・・」
「・・・ん?」
急にリトの声に真剣味が増したので、唯は少し身構えてしまう。
「たまにでいいから・・・俺に甘えてくれ、な?」
真面目な表情でリトは想いを言の葉にのせる。
「俺の前では、何も無理しなくていいから。
愚痴ったっていいし、わがまま言ったっていい。
・・・つか、唯のわがままだったら、嬉しいし・・・」
少しも恥じることなく、リトは優しい音色を奏で続ける。
「だからさ、二人っきりのときだけ・・・それも毎回じゃなくたっていいんだ。
一週間に一度でもいいからその、俺に・・・甘えて欲しいんだ」
「結城君・・・」
唯がゆっくりとこちらを振り返る。
心臓が止まるかと思った。
だって唯は本場イタリアの画家たちでも誰も描けない聖母のような微笑を浮かべていたから。
そしてそのままリトの胸に顔を埋め・・・ると思いきや、その直前でストップして俯いてしまう。
(俺に甘えるのって、そんなに抵抗あるのかな・・・)
ちょっと、いやかなりショックを受けているリトに耳に唯の声が届いた。

「甘えるの・・・たまにしかダメなの・・・?」
「へっ!?」
今なんとおっしゃいました・・・?
「結城君はわたしにいっぱい借りがあるのに、一週間に一度しか・・・?」
甘えと照れとが絶妙にミックスされた唯の声。
そんなのを潤んだ瞳の上目遣いとともに発せられたらたまったもんじゃない。
「いいいや、唯サンがお望みでありまするなら毎日でも!」
今日は周波数が次から次に変化して本当に心臓に良くない。

「じゃあ、約束・・・」
そう言うと唯は左手を伸ばしてくる。
なんで左手?と思いながらもリトも左手を出して小指を伸ばす。
すると唯が不満げな表情でフルフルと首を振った。
そしてキュッとそれを握り締めてくる。
(ああ、そっか・・・)
リトはしっかりと唯の手を握り返すと出来る限りの微笑みを返して。
そっと繋いだ手を振った。
一回、二回。
それは今日、二人の間に誕生した秘密の合図。
にっこりと笑い合うと唇を重ね合って、静かに眠りにつく―――
はずだったが。

ぐううー きゅうー

キョトンとして顔を見合わせる。
想いは通じ合い、愛欲は満たされた。
そうなると睡眠欲が沸いてくるものだが、二人に降りかかってきたのは食欲だった。
思い出してみると、互いに朝から何も食べていない。
「ゆ、結城君、あなたはどこまでデリカシーが・・・」
「いや、今唯のお腹も鳴ってたよ」
「鳴ってないわ!」
「いや、鳴って・・・」
「鳴ってないの!」
「は、はい・・・。すみません」
やっぱり頭が上がらないリトだったが、それでも良かった。
これから先何年だって、こうしていられたらいいと心から願った。

時刻は9時をとうに回っていた。いつ誰が帰宅してもおかしくない時間だ。
「そういえば、今日ご家族は?」
「お父さんは出張。お母さんは学生時代の友達と旅行。お兄ちゃんは・・・恋人の家」
ってことは・・・誰もいないらしい。
そういうことなら一つ唯に手料理をご馳走してあげよう。
「台所借りていいか?俺何か作るよ。といっても簡単なのしか出来ないけどな」
「えっ?そんな、いいわよ。わたしするから」
「まあそう言わずに。今は美柑にまかせっきりだけど、そこそこ料理できるんだぜ?」
そういうとさっさと制服を身に着けるリト。
「じゃあゆっくり待っててな。服は着なくてもいいぞ?」
「ば、ばかっ!わたしそんなハレンチじゃないんだから!」
にっこり笑うとリトは部屋を出て行った。

自室に一人残された唯は身体を起こすと、ゆっくりと部屋の中を見回してみた。
昨日までとはまるで違って、全てが鮮やかに色づき輝いて見えた。
シーツにぱったりと顔からダイブしてみた。
悲しみの涙でなくうれし涙で満たされたその海は、リトの陽だまりのような匂いがした。
ねえ、結城君?
あなたはわたしにふさわしくなりたいって言ってくれたけれど、わたしはそんなことどうでもいいの。
あなたに出逢えて、わたしは自分の中にわたしも知らない感情がたくさんあることを教えてもらえたから。
あなたに出逢えなければ、わたしはずっと規律だけを守って日々をすごして、
他人を枠にはめることが天命だと信じながら、感情のほとんど伴わない、彩のない人生を歩んでいたと思う。

だから、あなたを好きになってよかった。
胸がドキドキして、あなたしか考えられなくなって、明日が待ち遠しくて。
いっぱい苦しい思いもしたしいっぱい泣いたけれど、いつかあなたに恋をしたことを良かったと思える日がきっと来ていたって分かるの。
ホントよ?

でもあなたはわたしに愛することを、そして愛されることすらも教えてくれたんだ。
胸がキューってなって、優しくあなたに包まれて、頭も身体も蕩けちゃいそうで。
そして、幸せにしてくれるって、約束してくれた。

でもね。
わたしはあなたにずっと輝いていてほしいんだ。
あなたは太陽だから。
優しくみんなを照らしてくれる、包んでくれる。
みんな助けられてるの。あなたに。
だけど、わたしは欲張りでわがままだから時々独り占めしたくなっちゃうの。
だからその時だけは、わたしだけを見てくれたら、ね。
それだけで頑張れるんだ。
あなたがいるから、わたしは輝けるんだよ?

わたしはずっと、あなただけを見てるから。

優しい月明かりに照らされた部屋の中で、唯はそっと呟いた。
「結城君・・・大好き―――」

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