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唯とリト 第6・6話 夕日の想い出

それはずっと昔の話し────

「それじゃあみんな、ケガをしないように元気に遊ぶのよ?」
『は~い!!』
カワイイ声を唱和させながら、幼稚園の制服を身にまとった男の子や女の子が、それぞれ
のグループに分かれて、思い思いの遊びを始める
その輪の外に小さな女の子が一人、ポツンと芝生の上に立っていた

「うぅ…」
小さな手で制服の裾を握りしめながら、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ
落ち着かないのか、さっきからそわそわしっぱなしだ
やがて、見知った子達を見つけたのか、その曇りがちだった顔がぱぁっと輝く

「はぁ…はぁ」
一生懸命、トテトテ走ると、その女の子たちの前で唯は立ち止まった
「ゆ…唯もいっしょにあそんでもいい?」
息を切らせながら話す唯に、女の子たちは揃いも揃って露骨に顔を歪ませる
そして、辛辣な言葉を吐き出した
「いや!!」
「え…?」
その女の子グループのリーダーなのか、気の強そうな一人の女の子が目を細めながら唯に食い付く
「だって唯ちゃんとあそんでもつまんないんだもん! ねー?」
後ろにいる数人に目配せすると、それが合図だったかの様にみんな一斉に声を上げ始めた
「そーよ!」
「わたし、唯ちゃんとあそびたくないのっ」
「どっかいってよ!」
「え…え…」
その残酷な言葉に唯は、戸惑う様にオロオロと視線を彷徨わせる
「な、なんで…」
「だってあなた、いちいちうるさいのよ!」
「そーよ! この前だってセンセーに言いつけたし!」
「だ…だってあなた達がお花のおみじゅ(お水)やり全然ちないから…唯は…」
制服の裾をキュッと握りしめながらも唯は、精一杯の声を絞り出す
「それがウザいってゆーのよ!! どいてよっ」
ドンっと突き飛ばされた唯の小さな体は、地面に尻モチをついてしまう
「キャ! う…うぅ…いたい…」
目に涙をいっぱい溜める唯を嘲笑うかのように、女の子たちは唯を見下ろすと、ふんっと
鼻を鳴らしながらその脇を通り過ぎていく
その時────
「なにやってんだよ!? おまえらっ」
コロコロと転がったサッカーボールを拾いに来た一人の男の子が、ボールを手にこちらへと走って来た
「大丈夫か? ホラ、つかまれよ?」
「う…うん」
見かけない一人の男の子に戸惑いながらも唯は、差し出されたその手をギュッと掴む
「どこもケガないか?」
と、ニッコリ笑うその男の子の笑顔に唯は、初めて会うにも関わらず何かがそわそわするのを感じた
「へ、へいき!」
「そっか! …で、おまえら、なにやってんだよ?」
「な、なにって……アンタこそなによっ?」
突然の来訪者に若干顔を引きつらせながらも、リーダーらしく一歩も引く様子のない
その女の子に、後ろにいた数人が服を引っ張りながら小声で話し始める
「あのコ、ちょっと前にココにきた…」
「となりのサクラ組の…結城…とか…」
何やらぼそぼそと話し始める間も、男の子──リトは唯を後ろにかばいながらジッと目の
前の女の子たちを睨みつける
その背中からひょいっと顔を覗かせながら唯は、心の中で首を傾げた

(だれ……?)
ずっと幼稚園にいる唯でも初めて見るその顔
そして、初めて会うにも関わらず不思議な気持ちにさせるその雰囲気
唯はいつの間にか、その男の子の背中のシャツを握りしめながら、その後ろ姿をジッと見つめていた

小さな声でヒソヒソ話しながら、何度もこちらをチラチラと見てくる女の子たち
やがて、結論が出たのか、もう一度唯を睨みつけると女の子たちは背を向けて歩き始めた
「ちょ…待てって!」
「……アンタがあそんであげればいいじゃない?」
「唯ちゃん、よかったね!」
「アレってじつは唯ちゃんのカレシだったりして?」
「あ! そーかも!!」
「うるさいものどーし、お似合いだしね!!」
口々にそう囃し立てては、ケラケラと笑いだす女の子たちにリトは声を荒げた
「おまえらいい加減に……って全然きいてねー…はぁ~」
力を吸い取られたかの様にガックリと肩を落とすリトに唯は表情を曇らせた
「ゴ…ゴメンなさい…。唯のせいで…」
「ん? なんでおまえがあやまるんだよ? 別におまえのせいじゃないだろ?」
「う…うん」
それでも表情が晴れない唯に、リトは元気付かせる様にニッと笑顔をつくる
「じゃあ、オレと遊ぼっか?」
「え?」
「ダメ?」
「ダ、ダメじゃなくて…えっと…」
誰かから誘われるだなんて初めての事だった
まして相手は男の子
唯にとって男の子は嫌がらせばかりしてきて、うるさくて、話しを全然聞いてくれなくて、
困らせてばかりで、そんな最悪なイメージしかない
裾を握りながら、もじもじしてばかりの唯にリトは笑みを深くした
「じゃあ決まりだな! なにして遊ぶ?」
「え…えっと」
急にそんな事をいわれても……
唯は目をキョロキョロさせると、もごもごと口を開いた
「それがいい…」
「え!? コレのことか?」
リトはサッカーボールを顔の前まで持ち上げると唯の手の中へ、ポンっと手渡した
「へ~サッカーできるんだ?」
「が…がんばってみる…」

ホントはおままごとか、なわとびがしたい────……

初めて出来るかもしれない友達に、だけどそんな事言えるはずもなく
唯はギコチなく小さな笑みを作った
コロコロと転がってきたボールを空振ると、バランスの崩れた唯はそのまま尻モチを付いてしまう
「ぃ…たい…」
これで何度目になるのか、何度もぶつけたお尻の痛みに唯の目に涙が浮かぶ
「大丈夫か?」
「う、うん! へいき!!」
こちらに走ってくるリトに大急ぎで涙を拭うと、唯は立ち上がった

転ぶ度に心配そうに駆け寄ってくるリトの優しさに、唯の小さな胸はトクンと音を奏でる
(優ちいな…)
制服に付いたドロをポンポンと手で払う唯に、リトは頭を掻きながら難しい顔をした
(…ホントにサッカー好きなのかよ…)
パス交換もリフティングも、おまけにルールすらまったくわかっていない様子の唯
それに、さっきからしきりに何かを思いつめているのも気になる
(ん~…)
小首を傾げながら腕を組んで考える

リト自身、女の子とこんな風に遊んだことはない
ないのだが、普段女の子たちが遊んでいるところは何度も見ている
なわとび、おままごと、折り紙折り、ケーキ屋さんごっこ、お花屋さんごっこ……

「……ほかのにしよっか?」
「へ?」
「ほかの遊び! ホラ、アレだ! おままごととかさ」
「え…ぁ…い、いいの?」
「つーかやったことないからわかんないんだけどな…。おままごと」
苦笑い浮かべるリトに唯は、ポンと手を合わせながらニッコリ笑った
「へーき! 唯がちゃんとおちえてあげる!」
「お、おう」
リトは目をパチパチさせながら、指で頬をポリポリ掻いた
(…へ~コイツって、こんな風に笑うんだな…)

「じゃあ、唯がおかーさんね!」
目の前でキレイに並べられたおもちゃのお皿やコップを前に、リトはなぜだか正座したま
まカチコチに固まっていた
「じゃ、じゃあオレがおとーさんだな?」
「うん! おとーさん、今日も一日おつかれさま」
「へ!? あ…え、えっと……た、ただいま。で、いいんだよな?」
「ただいまってゆー時、そんなこと聞かないでしょ!?」
「だ、だよな」
腰に手を当てながら声をキツくさせる唯に、リトもつい声を詰まらせる
「それじゃー、えっと、ご飯にちますか? おフロにはいりますか? どっちにちますか?」
「え、え~っと…じゃあご飯で…」
「はい! すぐにできるから待っててください!」
「…うん」
女のコってなんかすげーんだなァ、と思いつつ、キレイなドロの団子を作り始める唯にくす
ぐったくなる感触を覚えるとリトは、ニコッと笑った
(なんかいいな! こんなふーに遊ぶのも)

そして時間はあっという間に過ぎていき、夕暮れ時
「────つぎはおとーさんの番ね?」
「オレ!? オレもするのか?」
「当たり前でしょ! 泣いちゃったらどーするの!?」
むぅ~っと睨んでくるすっかりお母さんになった唯から、赤ちゃん役の人形を受け取ると、
リトは、赤ちゃんを腕に抱いた
「え…えっと…」
「ちゃんとお歌を歌って、寝かせてあげないとダメなの!」
「わ、わかってるんだけどどーすりゃ…」
「さっき唯がやってたでしょ!? ちっかりちてよね! おとーさんなんだからっ!!」
「はい…」
リトは腕の中に視線を落とすと、キョドキョドしながらも赤ちゃんをあやし始めた

腕をゆっくり左右に振りながら、ヨチヨチとあやすリトの姿に唯の口から自然と笑みがこぼれる

小学生になってからすっかり構ってくれなくなった遊
ココでは半ば一人ぼっち状態の毎日
こんなに楽しいと感じたのは久しぶりだった
もっと続けばいいのに
もっと一緒に遊べたらいいのに
けれど、始まりがあれば終わりがある
それは楽しい時間も同じだ

「リトーー!」
「ん?」
遠くの方から自分の名前を呼ぶ声に振り向くと、リトはとたんに顔をしかめた
「あ、かーさんだ」
「え?」
リトが見つめる先、幼稚園の門の前でオシャレな服を着た若い女の人が唯の目に映る
「…ぁ…」
その小さな呟きが聞こえたのか、リトは申し訳なさそうに肩を落とすと、スッと人形を唯に返した
「ごめん。かーさん来たからもう帰らないと…」
「ぅん」
「今日、楽しかったよ!」
「ぅ…うん…。唯もたのちかった…。そ、それであのね…」
制服の裾を握りながらもじもじと体を揺する唯の言葉を待っていると、遠くの方から急か
す様に、自分の名前を呼ぶ林檎の声がしてくる
「ヤバ…そろそろ行かねーと」
「え…ぁ、ま…待っ…」
言いたい言葉があるはずなのに、出てこない
その後ろ姿に胸がキュッと締め付けられて声にできない
(唯…唯…)
制服を握りしめる手に力がこもった時、ふいに立ち止まったリトが、くるっと自分に振り返った
「また、明日も遊ぼーな!!」
夕日に照らされながら、ニッコリ笑ったリトにキュンと胸が高鳴ったまま唯は動けなくなってしまう
「じゃあな」
「…ぁ…ぅ…う、うん! うん!! また、また明日!!」
リトが見えなくなるまで何度もブンブンと腕を振り続けた唯
遠く見えなくなっても、しばらくその場から動かなかった
胸に今日の出来事が溢れかえっていた
そして、大事な事に思いつく
「明日…明日、がんばって名前ちゃんとおちえてもらわないと!!」
ぬいぐるみを胸に抱きしめながら、唯は自分にそう約束したのだった

そして、次の日────
「おそいな…。なにちてるんだろ?」
昨日と同じくキレイに並べられたおままごとセットの前で唯はずっと待っていた
「うぅ…」
けれどもリトはこない
昨日から気になって気になって、今日の朝、さっそく隣の組までいたのだが見当たらず
ガッカリしながらも”この時間”を今か今かと心待ちにしていたのに
「どーちたんだろ…。唯…なにかちたのかなァ」
と、一人沈んでいると、担任の先生が唯の元へやってきた
「唯ちゃん。何してるの?」
「へ? 友達……を待ってるの」
「友達? どんなコ? 先生、呼びに行ってあげようか?」
「う、うん。えっと…」
名前のわからない唯は、自分の見た事、感じた事を、事細かに説明し始める
「…それってもしかして結城くんのことかな?」
「ゆ、ゆーき…くん?」
「うん結城くん。でも、唯ちゃん。結城くんね、もういないのよ…」
「え? いない…?」
「そう……。昨日、お母さんの仕事の都合で急に引っ越すことになってね。幼稚園、やめちゃったのよ」
「え…え…」
ワケのわからない唯はただ、オロオロしたまま目を彷徨わせた
「結城くん、最後に唯ちゃんにゴメンって謝ってくれって何度も何度もお願いしてたんだ
けど、結城くんも唯ちゃんの名前わからなかったみたいで、先生も困っちゃって…。
そっか、唯ちゃんの事だったんだ…」
先生の声を聞いている内に、次第に、唯の目からポロポロと大粒の涙が溢れ出してくる
「ゃ…だ…」
ギュッと制服を掴む手に、涙が当たって地面に落ちていく。何度も何度も
「や、だぁ…。唯…唯…まだちゃんとお礼もゆってないのにぃ。やだぁ…やだぁ…」
夕暮れの中、唯の涙と想いは、いつまでもいつまでも溢れ続けた

────そして十数年後

「────あなた達、何してるのっ!?」
「へ?」
彩南高の廊下でリトと唯、二人は再開を果たす
幼稚園の切ない想い出を胸の奥にしまいこんだまま

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