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リトの妹

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ドジで女に奥手なリトには妹である私がついていなくちゃダメだと美柑は思っていた。
ララや春菜とかに戸惑うリトを美柑は傍観する形で見ている。自分はあくまでも傍観者。あくまでもリトの妹。リトと美柑の関係は両親が共働きで家にいない時でもごく普通の兄妹だった。そう。ごく普通の。表面は。表面だけは。
でも年を経るに連れて一方は普通の関係からより近い関係に近付いていた。だがもう一方は本人の意識は関係なしに普通を維持しようとしている。
一方が近付くだけでは真に近付いた事にならない。でも近付くのを塞ぐかのように兄妹の二文字が存在していた。

 

「はぁ……はぁ……」
結城家の夜。部屋からは少女の喘ぎが聞こえている。
「リト…………リト…リト…」
喘ぎ声の主は美柑だった。いつも大人びていた彼女らしくない嬌声。右手にはリトの下着が握られていた。
「リトの匂いがする……リト……リト……。」
一家の家事の大半を担う彼女にとっては兄の服をこっそり持っていく事は簡単だった。洗濯中にこっそり持っていけばいいからだ。

美柑にとってはリトはただ1人の兄であり……密かに想いを抱いていた。
ずっとリトが好きだった。最近は冷め気味だったその感情は自分が風邪を引いた時、自分が宇宙人に襲われた時、リトは自分を守ってくれた。その時から再び好きという感情が呼び覚まされた。その時から美柑は兄の物で自分を慰めるようになった。達する事を知ったのもこの時からだった。

普通だったら自分はリトに気持ちを伝えていたかもしれない。
でも出来ない。何故なら……二人は実の兄妹だったからだ。
兄妹は付き合う事をタブーと見なされる。
何で自分はリトの妹なんだろう。物心ついた時からずっとリトを見てきたのに、好きという気持ちはララや春菜に負けないのに。
でも妹は婚約者にも思いをはせているクラスメイトにもなれないのだ。
だから今の自分はただ兄の分身で自分を慰める事が精一杯なのだ。

「はぁ……はぁ……。」
美柑がただ行為に浸っていた時だった。
「おーい美柑。さっきから返事がないから開けるぞ……。」
リトが扉を開けた。その瞬間美柑の意識は快楽から現実に急速に引き戻された。そしてリトに半裸のその上Hな自分を見られてしまった事に気付いた。

「うわっ!!ごめん!!」
見てはいけない物を見てしまったリトはすぐさま扉を締めた。
「あ……あ……。」
自分の愛しい人に見られたくないものを見られた。美柑はただ声がでなかった。

「美柑の奴が……まさかあいつにも好きな人がいるって事だよな。」
自室でさっき見た事をなかった事にしようとするがついつい余計な事を考えてしまう。
「あいつに酷い事したかもな……。とりあえず後で謝っておこうか……。」
とリトは考えていた。
「リト……入っていい?」
美柑の声がドアからした。さっきの件の割りには随分と落ち着いている。恥ずかしくなかったのか……?
まぁ本人も余り気にしてないのなら拒む理由はない。リトはドアを開けた。

「リト……さっきは……そのごめんね。」
「えっ?」
突然自分に謝ってきた美柑。自分から謝ろうとしていたのに、しかも悪いのは自分なのに……一体美柑はどうしたのだろうか。
「さ、さっきって……その、あれか?」
遠回しな返事に美柑は小さく首を縦に頷いた。
「リトの前ではいつもの私でいたかったのに……。私ってHだよね……。」
「おい、美柑……一体どうしたんだよ。何かあったのか?」
「あの姿を見られたから……あんたに嘘ついても意味ないよね。」
リトが頭を傾げるのに美柑は一呼吸を置いて言いたい事を口にした。

「……ずっとだまってたけど。私はリトが…好き……本当に好きなの……。」
その言葉をリトはすぐには飲み込めなかった。だがリトが理解する前に美柑はリトが好きだという事を話し続ける。

「私が風邪ひいた時とか……こないだの私が宇宙人に襲われそうな所を助けてくれたりして……私は……リトが好きになっちゃったのかもしれない。
そう…………ずっとずっと前から想っていた事が一気に溢れちゃったのかな……。」
「美柑……。」

思えばリトは美柑をずっと見てきた。美柑が生まれた日から今まで。両親も仕事で忙しい中美柑を一番見てたのは自分だったのかもしれない。
あの頃の美柑はよく自分の側にいて、よく自分を頼っていた。自分も兄として美柑を守ろうと決めていた。

「私とリトは5歳も年が離れているから……私がリトを好きになっても、リトは小さい私を好きになってくれるなんて思ってなかったから……
私は早く大人になりたかったの。背伸びでもいいから大人になりたかった。私が「お兄ちゃん」から「リト」て呼んだり、家事をやるようになったのも……リトに自分が子供じゃないって……でも……。」
どんどん感情が表に出て来る気持ちは美柑自身にも止められない。
「リトが春菜さんを好きだと知って……ショックだった。でも……兄妹同士が付き合えないから……リトに自分だけ見てもらえなんて言えないしリトに迷惑がかかっちゃう……。
だからリトと春菜さんの仲を阻まないように……私は普通に妹としての関係に徹したかった……。
ララさんにだって同じ態度で接していけたけど……いけたけど……。」
溢れ出す感情は遂に決壊した。
「リトが私を助けてくれて、守ってくれて……だらしなくて間抜けなリトが……やっぱり私が頼れる「お兄ちゃん」だから……!!そんなリトが私は……私は好きだから……!!」
リトの胸に美柑は顔を押しつけて、彼に泣き顔を見られないようにした。

「こんな事考えちゃいけないのに……兄妹同士が付き合っちゃダメなのに……リトのせいで……リトのせいで私変になっちゃうよ!!」
リトの胸で美柑は延々と泣き続ける。

「美柑……美柑!!」
「…………リト?」
「顔を上げろ美柑!」
「え…………でも……」
「俺はお前の顔を見たいんだ!」
リトに言われるがままに美柑は涙でぐしょぐしょになった顔を上げた。
「!!」

その瞬間リトは美柑にキスをし、細い腰が折れるくらい強くそして優しく抱き締めた。
恋に奥手なリトがこれほど大胆な行動をしたのは初めてだ。いつもとのギャップに美柑は呆然としていた。

「リ……ト……?」
「ごめんな……美柑……。お前がずっと俺の事をそう想っていたのに気付かなくて……。」
リトは美柑に安心させるような優しい声で話す。

「お前を守ろうとは俺もずっと想っていた。けど…。お前が俺よりもしっかりしてるから……。
お前を守ろうとしていた気持ちが少し色あせてたかもしれない。美柑は1人でやっていけると思っていたから……。」

「リト……。」
「でも、それは俺の勘違いだった。お前には俺がいるし、俺にはお前がいるんだ……。」
「どういう事……?」
美柑の問いにリトは決心したかのように口を開いた。
「……俺は今までどおりお前の兄として、お前を守ってやりたい。そして……お前を幸せにしてやりたい。……お前の男として。」
「え…………で、でも兄妹が恋人になんかなれないし…………。」
リトの言った意味を美柑は理解した。しかし自分のわがままにリトを巻き込みたくはなかった。だから本当は望まない事をリトに訴えようとしたが。

「兄妹が恋人になるのはタブーだって言う事は俺も分かっている。
でも……俺はお前がずっとずっと……春菜ちゃんやララより長く俺を想っていた気持ちに応えたいんだ。そして……背徳感や不安からお前を守りたい、兄として。」
そう言い張るとリトは美柑の耳に囁く。
「お前を幸せにしてやりたい。男として……。」
「リ……ト……。」

リトの強い抱擁に美柑も小さな手でリトを抱き返した。
「リト…………私リトを好きになって良かったと思うよ。……今なら絶対言えるよ。リトが好き。大好きだって……。」
「…………俺もだよ。」
抱き合いながらお互いはキスを交わした。どちらが先に求めたか分からないキスを。

「ねぇ……リト……。」
しばらくキスの余韻に浸っていた美柑だがリトに甘えるような口調でねだってきた。

「あの……その……ね?」
「どうしたんだ……美柑。」
上目遣いでねだってくる美柑を前にしても、リトのやはり鈍感な所は変わらないものである。
「もう!分かんないの!?全く本当にリトは鈍感だよ!!」
「ちょっと……一体何か何を……。」
いつもの態度に戻った美柑はリトの手を強引に持ってきて自分の秘所に当ててきた。
「ぬ……濡れてる…………。」
「………………。」
自分の大切な所など当たり前だが今まで誰にも触らせていない。今初めて人にそこを触らせているのだ。美柑の顔は当たり前だが耳まで赤く、リトの視線に合わないように顔をそっぽ向いていた。

「もう……分かんないの?あたしが濡らしているのはリトのせいだよ。ずっと濡らしたら自分で処理してた。でも……。」
上目遣いのまま美柑はリトにねだる。恥じらいつつも。

「今は……リトに……シテほしい……。」

「…………!!」
その言葉の意味くらいはリトには分かっていた。だが美柑をこの先へ本当に後戻りできない場所へ引き込んでしまう事をしてしまうのだ。

「美柑……お前の気持ちは嬉しいけど……。」
「リト、あたしを子供と想ってるでしょ?」
その先への躊躇するリトに美柑は皮肉めいた事を言う。

「あたしは早く大人になりたい……。背伸びしても……。後戻りなんかできなくてもいい。リトの手で大人にしてもらえるなら……背伸びじゃない本当の大人にしてもらえるなら…………あたし、怖くないよ。」
「美柑……。」

これ以上彼女を止めるような事を言っても意味がない。それに自分に一途な想いを抱いていた美柑の気持ちを傷つけたくはなかった。もう立場なんか気にしている場合ではなかった。

「リト…………。」
「凄い濡れてるぞ美柑……。」
「バカ……恥ずかしい事言わないでよ。それに見てるだけでなく早く入れてよ。」
リトの目の前にはパジャマのズボンと濡れたいちごパンツを脱いだ、まだ産毛すら生えてない割れ目があった。幼い頃に見た事はあれど、触った事は決してなかった美柑の大事な所に指を入れた。

「あぁ……あん……。」
「美柑……俺がこんな事するの初めてだけどさ……気持ちいいか?」
「うん……。」
リトの愛撫は初めてとの事もあってぎこちないものだった。しかし、自分が想ってきた人がしてるだけで美柑は十分に感じてきた。その感度は徐々に目に見えるほど激しい物になってきた。

「あっ、あんっ!りと……気持ちよ過ぎて……あんっ!あうっ、あんっ!」

「気持ちよ過ぎて……どうしたんだ?」
「やっ!おかしくなっちゃっ!あっ、ぁあっ……あんっ!ふぁっ、あぁん!」
「なら……止める?」
「バカ!止めないでぇっ……ふぁぁぁっ!あぁん、焦らさないでぇ!!」

普段の美柑とは思えないくらいはしたなくも悩ましい嬌声を上げ、リトもまた普段の奥手な面がなりを潜めたかのように男の本性が浮かび出ていた。

そして、愛撫が佳境に差し掛かってきた。
「ダメダメダメ!もうあたし……ふぁ、あぁーーーーっっ!!」
愛しい人の愛撫に彼女は震えながらベッドに体を沈めた。そして彼女が悶えながらベッドに倒れた姿を見てリトは理性を取り戻した。

「ご、ごめん美柑!なんか……その夢中になりすぎて……。」
慌てて弁明するリトに美柑はいつものようにやや呆れ気味の口調で返す。

「はぁ~。全くリトは本当奥手ねぇ。別にあたしは何度かイッてたから大丈夫よ。ただ……。」
「ん…………うわっ!」

そういいながらリトの見事なくらい立ったテントに手を添える。
「リトにやってもらえたから……あたしはいつもより気持ち良かった。ここまで気持ち良くなれたのもリトだからだよ……。」
「美柑……。」

自分を前に微笑む美柑につい口元が綻んでしまう。だがその瞬間だった。
「うわっ……ちょっ、美柑!!」
一瞬の隙をついてリトのズボンが下着ごと下ろされた。ズボンに隠されていたそそり立つ肉棒が外の空気に触れた。「ここまであたしを虜にしてしまったから……責任とってよね……ちゃんと最後まで……。」
いつもの口振りには照れが見え隠れしている。そして彼女が言いたい事が、して欲しい事が何なのかはリトにも理解できた。

「いいのか!?本当にするぞ!?」
「リト……あたしとリトは恋人なんだよ……拒むわけないじゃない。」
美柑の一言が行為をためらっていたリトの背中を押す事になった。

触っていた時よりも濡れていた大事な所に自分の肉棒を当てる。その時の美柑は赤くなりながらも真摯な想いを抱いて自分の方を見ていた。
“早く入れて。私は大丈夫だから、お願い。“
そんな想いが伝わってくるように見つめる美柑の想いを無駄には出来ない。ここまで来たら後は前に進むしかない。
リトは一息付いて、勢いよく中に入れた。
「んんっ…」
自分の膣にリトの肉棒が物凄い勢いで突っ込んでいく感覚に、声が漏れる。そして
「あ、あ、ああああっ……!」

処女を失った痛みに、美柑が顔をゆがめ、シーツを固く握りしめる。
“大丈夫か?“と声を掛けたかった。でも自分を受け入れてくれる美柑を信じたかった。
“ここまで来て止めるくらいなら突き抜けてしまえ。“
思考回路が麻痺していたのかもしれないがリトは彼女を信じて自分の想いの塊を勢いよく美柑にぶつけた。

そして肉棒を1/4ほど残したけれども、美柑の膣に空白なしで収まった。
「美柑……。全部、入ったよ……。」
「うん……あたしの中にリトがいる。動いていいよ。」
痛みに瞳を潤ませながらも自分にだけにしか見せないような恍惚とした表情を見せる美柑。
自分を受け入れた彼女がただ愛しくて、リトは彼女の期待に応えるように腰を激しく動かした。

「あん……!あぁ……!気持ちいいよリト!もっとして!!」「言われなくても分かってる……!!お前の中すごく気持ちいいから!!」
肉棒を出入りさせると美柑が快感に悶え、リトもまた快感に浸る。お互いの腰が激しくぶつかり結合部からは愛液が泡立ち、溢れ、シーツを濡らす。
「ふぁぁっ!ふぁぁぁん!リトっリト!!」
「美柑……美柑……!!」
「リト!好きだよ!大好きだよ!リト!!」
「美柑……!!」
幼い頃に自分を慕ってくれた美柑は自分を大好きだと言ってくれた。そして今、自分に純真な想いをぶつけてくれる美柑の“大好き“という言葉がリトの心の琴線を震わせる。

「俺も……好きだ!大好きだ!!」
「リト……!!」
お互いが理性を失い快楽を求めて抱き合う。
だが快楽に長時間耐えられるほど人間は出来ていない。
無情にも全てを解き放つ時間が迫り、リトに少しばかりの理性が戻ってくる。

「やばい……美柑……出る!!」
何も装着してない自分が中に出すなど危険すぎる。
リトは美柑に離れる事を促した。
だが彼女は足を腰に絡めて離れようとはしない。

「やばい!もうダメだ……!!」
ついに自分は全てをぶちまけた。同じ血を引いた遺伝子を美柑に勢いよくぶちまけたのだ。

「なぁ……美柑。何で離れなかったんだ。」
「いいじゃない……だって一度くらいは中でリトのを感じたかったんだから。」

あの行為からしばらくして落ち着きを取り戻した2人はいつものような会話をベッドで続ける。

「あのな……お前妊娠でもしたらどうするんだよ?」
「あら、あたしはリトとの赤ちゃんが欲しいな~♪」
「な……何だって……!?」

美柑の一言はリトを慌てさせる。相変わらず女に慣れないリトを美柑は小悪魔のように微笑んでいた。でも。

(ありがとう……リト……やっぱリトは頼れるお兄ちゃんだったし……今は自慢の彼氏だよ……。)
その想いをしみじみと実感しつつも美柑はいつものようにリトをからかう。
「全く……リトって本当に女が苦手よね。いつもあたしがリトの相手になってあげようかな?」
「何……!?」

それからいつものような日常がまた始まった。兄妹もいつものような関係だった。表向きは。

一方はいつものように近付けてくる。そして……もう一方も近付くようになった。
あの日は2人にとってお互いが近付いた記念すべき瞬間だったのだ。

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